皆さんは、
「整骨院・接骨院」「鍼灸院」「整形外科」「整体院」
これらの施設へ行ったことがありますか?
ほとんどの方が「はい」と答えると思います。
ですが、
身体の不調を診てもらいたいけど、この症状の時はどこに行けば……?
と思ったことがある方もいらっしゃると思います。
お恥ずかしい話ですが、このコラムを書いた私は、
整骨院・接骨院や鍼灸院の存在を
上京するまで知らずに育ちました……(ノ_<)とほほ
そのため、当時は怪我をしてしまって診てもらいたい時は、
整形外科にしか行ったことがありませんでした。
そこで今回のコラムは、
上京前の私のように詳しく知らない方にも分かりやすく、
「整骨院」とそこで働く「柔道整復師」についてご紹介します!
目次
ではまず、「整骨院・接骨院」について見ていきましょう!
※ちなみに「整骨院」「接骨院」の2つに基本的な違いはないため、
○これ以降は「整骨院」に統一して記載していきます!
定められた教育制度の中で、
基礎医学や専門知識、専門技術、関係法規を学び、
最終的には国家試験に合格し、
厚生労働大臣から「※柔道整復師」の免許を与えられた専門家が、
「骨折」「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」
などに対しての施術を行う所です。
※ちなみに……
○・骨折:骨の一部、または全部が折れること
○・脱臼:関節の骨が外れること
○・捻挫:骨と骨の繋ぎの役割をしている関節部分が傷つくこと
○・打撲:強打によって筋肉などが損傷する怪我
○・挫傷:=肉離れ。筋肉や腱が打撃、
○○○○○または無理に伸ばされることによって生じる怪我
※骨折と脱臼の施術には医師の同意が必要です。(応急処置を除く)
※「柔道整復師」については、この後詳しく説明します!
さて、先程も記載しましたが、上京する前の私は
怪我をした際、整形外科にしか行ったことがありませんでした。
そのため、上記の整骨院の説明を見ても
いまいち整形外科との違いが理解できず、
きっとまた掛かり付けの整形外科にだけ行っていたと思います。(笑)
そんな私は置いておいて……是非とも皆さんには、
「2つの施設には、担っているそれぞれの役割がある」
という事を知っていただきたいと思います!
では、次は整骨院と整形外科のどちらを受診すれば良いのかと
今後迷うことが少なくなるように、
上記の整骨院について踏まえた上で、
似ていると思われがちな整形外科と比較して、
より詳しく知っていきましょう!
整骨院と整形外科は似ていると思われてしまう要因は、
治療している疾患が骨折、捻挫、打撲などの「外傷」である、
という事がまず挙げられると思います。
つまり、
・怪我をしてしまった時
・身体が痛い、辛い時
に利用する施設……
確かに、この情報だけだと、
どちらに行けば良いか迷った際の判断材料としては足りないですよね。
では、以下の表で
「整骨院」「整形外科」、さらに「鍼灸院」「整体院」も比較して
判断材料を増やしてみましょう!
整骨院 | 整形外科 | 鍼灸院 | 整体院 | |
資格 | 柔道整復師 | 医師 | はり師・きゅう師 | 特になし |
保険 | ○ (※受領委任制度) |
○ | ○ (医師の同意が必要) |
× |
診断 | × | ○ | × | × |
画像検査 (レントゲン、MRIなど) |
× | ○ | × | × |
投薬・注射 | × | ○ | × | × |
手術 | × | ○ | × | × |
※資格については、最低限必要なのものです。
○整骨院でもあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師もいる所もあり、
○それぞれの施設で違ってきます。
※受領委任制度……患者さんは自己負担分のみを支払い、
○保険者(健保組合など)への保険者負担分の請求を
○施術を行った柔道整復師に委任し、
○代わりに保険者に請求を行ってもらうことです。
○委任については、正式には「柔道整復施術療養費支給申請書」という、
○いわゆる柔整レセプト用紙に、患者さんから署名を頂く方法です。
比較も何も……どう見たって整形外科に通った方がいいでしょうに!
多くの方がそう思ったのではないでしょうか?
確かに整形外科では、
・診察による理学所見と
○レントゲンやMRIといった精密検査機器による検査
・手術
・痛み止めの薬や注射などの投薬治療
・各種電気治療
これらが中心となり、
電気治療以外は整形外科(病院)にだけ許可されています。
整形外科医は、患者さんの身体の痛みなどに対し
レントゲンやMRIなどの様々な検査をした後に診断をし、
その診断結果を元に適切な治療や薬の処方をしてくれます。
しかし、整形外科に通っている方の中には、
なかなか痛みが取れず、ずっと痛み止めを服用している……など、
「整形外科に通院するのは薬や湿布を貰いに行くためだけ」
というような方もいらっしゃるかと思います。
(もちろん、そういう整形外科ばかりではありませんが……)
この状態のままで改善が見込まれない場合は、
整形外科医にリハビリテーションを勧められることもあるでしょう。
このように、整形外科の施設の中に
リハビリテーションを受けられる所もありますが、
実際にそこでリハビリを担当するのは
「※理学療法士」や「柔道整復師」の場合が多いのです!
※理学療法士とは……
理学療法士は国家資格で、Physical Therapist(PT)とも呼ばれます。
怪我や病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
公益社団法人 日本理学療法士協会より引用
さて「柔道整復師」がここで再登場しましたね!
整形外科で行う治療について簡単に理解したところで、
次は「柔道整復師」についても見ていきましょう!
柔道整復師は国家資格です。
厚生労働大臣認可の専門学校や大学で専門知識を身に付け、
卒業時に「財団法人 柔道整復研修試験財団」が行う
国家試験の受験資格が与えられます。
以下の表は、その国家試験の科目一覧です。
解剖学 | 人体の形態や構造について |
生理学 | 人体の機能と、そのメカニズムについて |
運動学 | 人体の動きの仕組みについて |
病理学概論 | 人体に起こる病気の仕組みについて |
衛生学・公衆衛生学 | 健康の維持・増進、疾病の予防・発見について |
一般臨床医学 | 人体に生じる疾病について |
外科学概論 | 外科の治療法と疾患について |
整形外科学 | 主に人体の骨、関節、筋肉などの運動器系を 診療研究する外科学の一分野 |
リハビリテーション医学 | 人体の動きの障害に対する治療について |
柔道整復理論 | 骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などを、 投薬や外科手術以外で行う施術法について |
関係法規 | 柔道整復師として業務を行うにあたって 守らなければならない法律(柔道整復師法)について |
以上が、国家資格である柔道整復師になるために学び、
試験を受ける必要がある科目です。
さすが医療従事者というだけあって、
人体について幅広く勉強するのですね(゜o゜)!
そして、国家資格を取得した後は、
・整骨院や接骨院
・病院(整形外科、リハビリテーション科)
・スポーツトレーナー
・スポーツジム
・介護予防施設
などで活躍されている方がほとんどです。
そのため、整骨院に行ったことがない方でも、
もしかしたら違う施設でお会いしたことがあるのかもしれませんよ!
では次に、これらの知識を踏まえた上での
柔道整復師の業務について見ていきましょう!
柔道整復師は、「骨」「関節」「筋肉」「腱」「靭帯」などに関わる
急性や亜急性の原因によって発生する
骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの損傷に対し、
外科手術をしない非観血的療法によって整復や固定を行い、
人間の持つ治癒力を最大限に発揮させる施術を行います。
「人間の持つ治癒力」とは……
例えば、皆さんが紙で指を切ったとします。
切った直後は傷口から出血しますが、
絆創膏などで止血をし、暫くすると傷口がふさがり、
気付けば傷跡も残らず綺麗に元通り!
……というような軽度の怪我の場合、
特に手を加えなくても怪我を治す人間の治癒力を
「自然治癒力」と言います!
この自然治癒力は、人によって差があります。
そのため、柔道整復師は
患者さん一人一人の自然治癒力に合わせて
適切な施術を行っていくのです!
今までも記載していますが、
「骨折」「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」
皆さんも、これらを一度は聞いたことがあると思います!
柔道整復師は、これらの症状に対する治療のエキスパートと言え、
医師と違って手術や投薬を行わない施術をします。
※骨折と脱臼には医師の同意が必要です。(応急処置を除く)
さて、柔道整復師は患者さんの自然治癒力に合わせて
手術や投薬などを行わない施術をする……と説明しましたが、
具体的にどのような事をするのでしょうか?
では次に、
柔道整復師が患者さんに行う施術について詳しく見ていきましょう!
1.評価:患部の状態を把握する
○(1) 問診:患者さんに症状を聞く
○(2) 視診:患部を観察する
○(3) 触診:患部に触れながら観察する
*柔道整復師は、自分の目や手、
○そして患者さんとのコミュニケーションの中で状態を把握し、
○損傷具合や患者さんの状態、自然治癒力に合わせて
○治療方針を決定します。
2.施術
○(1) 整復法:骨や関節がずれた際に元の状態に戻すこと。
○(2) 固定法:骨折の際、ギプスや包帯などで
○○○○○○○ 患部を動かない様にして回復を図ること。
○(3) 後療法:患部の機能回復を早めるために行うこと。
○○○・手技療法:手や手の平で身体に刺激を加えることで自然治癒力を引き出す。
○○○・物理療法:電気や光、温熱、冷却、音波、水などの
○○○○○○○○○物理的エネルギーを用いて身体の機能回復を図る。
○○○○○○○○○(電気療法、温熱療法、水圧療法などで知られていますね!)
○○○・運動療法:運動を積極的に取り入れることで機能回復を図る。
つまり柔道整復師は、適切な症状の判断をし、
上記の施術方法で患者さん自身の持つ自然治癒力を高め、
怪我の手当てや身体の機能回復を図ります。
柔道整復師が行う施術と、整形外科医が行う治療とでは、
似ていないどころか、全く違うことがお分かりいただけたでしょうか?
このように、異なる専門分野を持つ整骨院と整形外科が
地域の医療サービスの向上を目指し、
「医接連携(医療&接骨院・整骨院)」を行っています。
例えば、整骨院に来院された患者さんに骨折や脱臼が疑われ、
ただちにレントゲンなどの検査を要する症状の場合は、
整形外科をご紹介させていただく場合があります。
つまり、整形外科と整骨院が連携して、
患者さんに迅速かつ正確な診断と施術を提供する
という事です。
柔道整復師は薬などに頼らない分、
自分の判断や技術だけが頼りです。
また、整骨院では患者さんと接する時間が長いため、
患者さんの声を多く聞くことができたり、
日々の変化にも気付きやすいメリットがあります。
そのため、深い知識と確かな技術、
そして患者さんとのコミュニケーションが何より大切とされる仕事です。
さて最後に、整骨院の保険診療についてご説明します!
上記の表にもあるように、
整骨院でも健康保険などを使って保険診療を受けることができますが、
全ての施術で適用されるわけではなく、適用範囲が設けられています。
整骨院を利用される際に、
是非とも覚えておいていただきたい重要な部分です!
保険が適用される症状の範囲は、既に紹介したように
「骨折」「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」の5つの症状で、
さらに「急性」または「亜急性」が原因の外傷のみです。
ちなみに……
*急性:症状が急に起こり、その進み方が早いこと
*亜急性:急性と慢性の間に位置し、
○○○○○急性ではないが慢性ほどゆっくりでもないこと
*外傷:体外から加えられた力によってできた怪我
整骨院に行く前に、
保険診療で通えるのかどうかをご自身で判断されるとしたら、
外傷性で、急性または亜急性、
そして出血を伴わない怪我である!!
という事を覚えておいてください☆
もちろん、ご自身では判断が難しい症状もあると思いますので、
お気軽にお問い合わせください!
整骨院での保険診療について分かりやすくQ&Aにしてみましたので、
ぜひ今後のご参考にしてください!
Q1. | 最近怪我をした訳ではなく慢性的な腰痛なのだけど、 整骨院で健康保険は使えるの? |
A1. | 慢性的な肩こりや腰痛、 または内科疾患が起因の痛みなどに対する整骨院での施術は、 保険診療の対象外となります。 |
Q2. | 保険が適用されないと、 整骨院で治療を受けることはできないの? |
A2. | その整骨院それぞれですが、 自由診療のメニューを設けている施設もありますので、 分からない場合はその施設に直接問い合わせてみてください! |
Q3. | 家の近くの整骨院に通っているのだけど、 職場の近くに整骨院ができて便利だからそちらにも通いたい! 複数の整骨院に通うのは大丈夫? |
A3. | 保険法により複数の整骨院・整形外科に 同時期に保険診療で通院することはできません。 ※緊急の場合を除きます。 ですが他の部位や自由診療であれば可能ですので、 通われている整骨院にも新しく通いたい整骨院にも 必ず伝えるようにしましょう。 |
Q4. | 仕事中(もしくは通勤途中)に怪我をしてしまった! 整骨院で診てもらうにはどうすればいい? |
A4. | その場合、整骨院では労災保険を使用して治療を行っていくため、 以下の手順で整骨院へ受診してください。 ①怪我をした当人が会社に労災保険の申請 ➝ 会社が労災申請。 ②そして労災が認められたら発行される「労災認定書類」を持参し、 ③労災保険の治療ができる整骨院へ治療を受けに行ってください。 また、学校での怪我は日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度、 交通事故は自賠責保険の使用をお願いします。 |
整骨院と柔道整復師について、
そして整骨院の保険診療について詳しくご説明しました!
中には少し難しい話もありましたが、
知っておいて損はしない内容だったと思います。
もし上京する前の私に、この知識があれば……
と何度悔やんだことでしょう。(笑)
今後ご自身が、またはご家族や友人が怪我をされ、
受診する施設で迷っている際に、
整骨院と整形外科それぞれの担っている役割を思い出してください!
このコラムを見た方のお役に立てれば光栄です(;▽;)
・こんな症状だけど見てもらえるのだろうか?
・大会が近いのに怪我をしてしまった……試合までに間に合わせたい!
・昔からの身体の不調を何とかしたい!
・初めてなんだけど鍼灸治療を受けてみたい!
などなど、最近怪我をしてしまったり、
以前から身体の痛みや痺れのお悩みがあったり……
それを何とかしたいと思った多くの方がいらっしゃると思います。
でも、その思いをそのままにして、
行動に移さなかった方もいるのではないでしょうか?
当あすウェルスポーツ鍼灸整骨院では、保険診療はもちろんの事、
患者様一人一人に合わせた施術を行うために、
自由診療も鍼灸治療やインディバセラピー、各種ケア・エクササイズなど、
慢性症状にも対応できる豊富なメニューを揃えております。
様々なお身体の不調でお悩みの方は、三軒茶屋にあります
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