三軒茶屋・栄通り商店街にある当「あすウェルスポーツ鍼灸整骨院」にも膝の痛みでお悩みの患者様がたくさんおみえになります。
一言で「膝の痛み(疾患)」と言っても、いくつかの種類があり、勿論その症状・疾患によって治療の方法も異なります。
今回はそんな「膝の痛み(疾患)」の種類とその予防方法についてご紹介させて頂きます。
一般の方の膝の疾患には、大きく分けて以下の3つの種類があります。
①変形膝関節症(OA)
②膝関節捻挫(膝靭帯などの損傷)
③スポーツになどよる慢性障害
この他に、離断性骨軟骨炎・膝関節脱臼・腓骨神経麻痺・児童期のオスグッド病などがありますが中高年の方の多くは上記の3つの疾患により膝の痛みを訴えられるパターンが最も多いとされています。
変形性膝関節症については、このコラムでも以前取り上げておりますので今回は「膝関節捻挫」と「スポーツなどによる慢性障害」について触れてみたいと思います。
下のイラストをご覧頂けばお解りのように、膝には①前・後十字靭帯(大腿骨と脛骨をつないで膝が前後に揺れるのを防ぐ)②内・外側副靭帯(同じく大腿骨と脛骨を結んで膝の左右へのブレを防ぐ)③内・外側半月板(大腿骨と脛骨の間にあり、膝のクッションとスタビライザー=安定性の保持として機能する)の3種類(前後/内側/外側をカウントすると6種類)の靭帯が存在します。
膝関節捻挫とは、この前・後十字靭帯、内・外側側副靭帯、内・外側半月板が損傷(部分断裂もしくは完全断裂)すると起こる疾患のことを指します。
a)前・後十字靭帯損傷
前出のように、前・後十字靭帯は膝が前後に揺れるのを防ぎ安定性を確保してくれています。
前十字靭帯には「歩く」・「走る」・「ジャンプする」・「方向転換する」などの動作で負荷がかかります。
損傷が起こるケースは、接触型と非接触型の大きく2つに分かれスポーツなどで多くみられますが、日常生活でも十分に起こりうる損傷です。
例えば、重い荷物を持って小走りをしていて急に立ち止まったりした際などに起こる可能性があります。
また、スポーツでは接触型はタックル・スライディングなどで、非接触型はスポーツでの急停止・方向転換・ジャンプの着地時などで起こりやすく、「野球」・「サッカー」・「バスケットボール」・「ラグビー」・「スキー」・「格闘技」などの競技で発生するケースが多くみられます。
後十字靭帯は、前十字靭帯に比べやや太いため損傷の頻度は低く断裂などもあまりみられませんが損傷した場合は重篤なケガに繋がる可能性があります。
b)内・外側側副靭帯損傷
内・外側側副靭帯は、膝の内外側にあり大腿骨と脛骨を結んで左右のブレを防止している靭帯です。
膝の内側もしくは外側から強い力が加わることにより靭帯が伸びて強く引っ張られることで損傷が発症します。
また、膝の内外反(外側から内側に引っ張られたりその逆の場合)や内外旋(膝から下を内外側に捻られたりした場合)した際にも発症しやすくなります。
特に内側側副靭帯の損傷は、スポーツ障害の中でも発生件数が多くみられるケガで発症の要因は前・後十字靭帯の場合と大きな違いはありません。
前・後十字靭帯の損傷と同じように、スポーツだけでなく日常生活でも十分に起こりうる損傷です。
外側側副靭帯の損傷は、膝に外側から大きな外力が加わることが稀なため内側側副靭帯の損傷に比べ発生件数は少ないのですが重篤なケガになりやすく、さらに後十字靭帯や半月板との合併損傷の可能性が高くなります。
c)内・外側半月板の損傷
半月板は、膝の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨用の板で、クッションと安定性を高めるスタビライザーの役割を果たしています。
半月板を損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みや引っ掛かり感を感じひどい場合には膝に水(関節液)が溜まったり、膝が急に動かなくなるロッキングという状態になり歩くことが出来なくなったりします。
半月板の損傷は、スポーツなどのケガから発生する場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月板に微妙な外力が加わって損傷する場合とがあります。
スポーツなどで生じた場合は体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって損傷した場合、前十字靭帯や内側側副靭帯とが合併して起こる場合があり、これを「不幸の三徴」と言ったりします。
これら靭帯損傷の治療法は、外科的手術と保存療法とがありますがスポーツ選手などの場合本人の希望で外科的手術を行うことがありますが、余程痛みが強い場合などを除いて一般の方にはなかなかお奨め出来ません。
というのは、術後のリハビリに時間的にも肉体的にも相当な負荷がかかりますしかなりのご高齢でない限り再度手術を受けなければならない場合があるからです。
このため、私ども「あすウェルスポーツ鍼灸整骨院」では正しい施術方法による保存療法と比較的患者様の負担の少ない方法での再発予防策(※)を取ることをお奨め致します。※再発予防の方法に関しては、別途後述致します。
ランニングやジャンプを長時間繰り返し行う=オーバートレーニングにより生じるため「使い過ぎ症候群」とも呼ばれ、中高生の部活動に励んでいる学生さんや高校・大学・実業団・プロのアスリートに至るまで幅広い年齢層で起こる障害です。
典型的な例に
1.大腿四頭筋腱付着部炎(俗に言うジャンパー膝)
2.膝蓋腱炎
3.鵞足炎
4.腸脛靭帯炎
などがあります。
上のイラストの1.~4.に圧痛が限局していれば各々の症状と診断することが可能です。
「大腿四頭筋」についてはご存知の方も多いと思われますが、太ももの前側の筋肉で大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋の4つの筋からなり膝の上部の筋肉の停止部分に炎症が起こるのが「大腿四頭筋腱付着部炎」です。
多くは、跳躍を必要とするスポーツを行う人に発症するため『ジャンパー膝』とも呼ばれています。
「膝蓋腱炎」も同じような原因で発症します。
「鵞足炎(がそくえん)」とは、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの筋肉が集中する膝の内側がやはりオーバーユースなどにより炎症を起こすものを言います。
最近では、マラソンやトライアスロンなどを愛好される方も増えておりアスリートだけでなく市民ランナーやジョギングを趣味とされている方にもこの障害が増えています。
繰り返しになりますが、これらの障害の原因の多くはオーナバーユースとなりますが多くの場合「筋力不足」・「筋力のアンバランス」・「柔軟性の不足」・「アライメント(骨や関節などの構造上の問題)不良」などの下地がある方にその可能性が高まります。
スポーツの前や一日の活動が始まる前(朝起きた時など)に、十分なストレッチを行うこと。
地味な方法ですが、これが最も有効な予防方法です。
また、スポーツの後などにはスタティスティックストレッチ(ゆっくりしたテンポで行う静的ストレッチ)を時間をかけて行うとよいでしょう。
また、スポーツの後や日常生活でも筋肉の疲労度が大きい時や若干の痛みがある場合などは15分ほどのアイシングを行うこともよいでしょう。
さらに、中高年の方に特にお奨めなのは「大腿四頭筋のトレーニング」を行うことです。
膝の疾患を防ぐためには、出来るだけ膝への衝撃を和らげること=そのすぐ上の大きな筋肉である大腿四頭筋を筋力を上げることが最大の予防策となります。
大腿四頭筋の筋力アップのためには『スクワット』・『デッドリフト』・『ランジ』などいくつもの方法がありますが「トレーニングと聞くとハードなイメージや面倒くさいイメージがあって敬遠しがち」という中高年の方も多いはず。
そこでお奨めしたいのが『パテラセッティング』と呼ばれる、何方でも何処でも(お家でも)簡単に出来る大腿四頭筋(主に内側広筋)の筋力アップのための極めて簡単なエクササイズです。
まず、写真①のように膝の下に適当な高さの柔らかい素材のもの(写真では、ソフトポールと呼ばれるスポンジ製のものを使用していますが、適当な厚さに折りたたんだタオルやクッションでも可)を置きます。
次に、写真②のように太ももに力を入れてその対象物(ソフトポール・タオル・クッションなど)を真上から押しつぶすようにして膝を真下に下ろしていきます。(写真②➝③)
対象物が完全に潰れたら、10秒程度そのままの状態をキープした後ゆっくりと膝を上にあげる。
たったこれだけです。
これを、1日10回×2セットもやれば十分に大腿四頭筋の筋力があがり変形性膝関節症や膝関節捻挫・膝の慢性的スポーツ障害などを予め予防したり、実際に発症してしてしまった方にとっても再発防止になります。
また、この他にも筋肉のバランスや骨のアライメントを正しい構造に導き正しい姿勢に導くトレーニングやエクササイズ、そして筋疲労を抑えカラダの動きをスムースにするための定期的なメンテナンスなどを予防の方法として適しています。
三軒茶屋・栄通り商店街にあります当「あすウェルスポーツ鍼灸院」では、実際に発症してしまった方に対する治療やトレーニング・エクササイズ・定期的なメンテナンスなどあらゆる方法で患者様のニーズにお応えすることが可能です。
少しでも「あれ?膝がちょっと変だぞ?」と感じられた方は、遠慮なさらずに当院までご相談ください。