私たちの快適な日常生活を突然脅かす「腰痛」。
厚生労働省が2013年に発表した調査によると、国内で腰痛に悩む人はなんと2800万人に及ぶとされ、腰痛は人間(特に成人)にとって避けて通れない現代病のひとつと言っても過言ではありません。
「肩こり」とは違い「腰痛」は欧米でもポピュラーな現代病であり、かのジョン・F・ケネディやマイケルジャクソンも腰痛で悩んでいたと言われています。
では、なぜそんなに多くの人が「腰痛」に悩むのか?
ここでは、そのメカニズムからご紹介していきましょう!
私たちの姿勢を維持しているものの中心となっているのが「脊椎」です。皆さんには、「背骨(せぼね)」と言った方が分かりやすいでしょうか。
この脊椎がいくつも集まって首からおしりの手前までの骨格をなしています。
脊椎は24個の椎骨が集まって出来ており、その間に『椎間板』と呼ばれる衝撃を吸収するためのクッションの役割をする柔らかい組織があります。
脊椎は、頸椎(首の骨)7個・胸椎(胸の骨)12個・腰椎(腰の骨)5個の計24個の脊椎と仙骨・尾骨で構成されています。
脊椎は小さな24個の椎骨の集合体ですが、骨同士がそのまま連結していたのでは、やがて削れて骨の”組織”が破壊されてしまうでしょう。
歩いたときに足から受ける衝撃も、そのまま頭の先まで伝わってしまいます。
そのため、1つ1つの椎骨の間には「椎間板」という組織があり脊椎にかかる負担を吸収して、分散する働きをしています。
二層構造になっている椎間板は、中心部分に「髄核」というさらに柔らかい組織があり、髄核を包み込むようにして繊維輪軟骨という軟骨組織から成り立っています。
腰痛の中でも比較的症例の多い“椎間板ヘルニア”は、この椎間板の繊維輪軟骨が破れて中心の髄核が外に飛び出し、神経を刺激することから起こります。
そしてこの脊椎の中心には「脊柱管」という管(くだ)があり、その中をヒトのカラダにとって大変重要な神経のひとつである脊髄中枢神経が通っています。
脊髄中枢神経は、カラダのあらゆる部分に脳からの信号(生体電流)を末梢神経に伝える役割をしています。
カラダの隅々まで広がっている末梢神経は、脊髄中枢神経を始まりとして、体の各部分に信号を送っているのです。
背骨は①カラダの姿勢を保つ役割をしているとともに、②末梢神経の始まりの部分として、生体電流の中継地点として、私たちが生きて行く中で、2つのとても重要な役割を担っていると言えるのです。
生体電流が何らかの原因で妨げられた場合、『感覚神経鈍磨』という、感覚が鈍る現象と『運動神経鈍磨』と呼ばれる、頭でイメージすることと体の動きが微妙にずれてしまう神経疾患が起こってしまいます。
また、自律神経に影響が出る場合もあります。
正常に背骨の構造が維持されることによって、全身の筋肉や骨格に、重力の負荷や運動の負荷を分散させて、今こうして私たちは日常生活を無事におくることが出来ているのです。
腰痛の原因になる部分は多くは腰椎の4番目と5番目(第4・5腰椎)に異常が起きるケースが多いため、整形外科などの医療機関では「腰痛」と言えば第4、5腰椎をX線検査などで診察します。
5個ある腰椎の中で、第4・5腰椎にかかる負担はとても大きいものです。
この部分は、骨盤や腹筋と共に上半身の負荷を支える大事に部分です。スムーズな動きを出すために骨格組織が少なくなっており、構造的なもろさを持ち合わせている場所なのです。
また、脊椎の形状は頸椎・胸椎・腰椎でそれぞれ微妙に異なっており、その移行部(頸椎と胸椎の移行部・胸椎と腰椎の移行部・腰椎と仙骨の移行部)でストレスがかかりやすくそれぞれの部分で痛み(背部痛や腰痛)が生じることがあります。
そして、腰の骨(腰椎)と骨盤との中継地点としての2つの関節が上肢と下肢のつなぎ目として重要な役割を果たしています。
1つ目は、腰仙関節と言われる関節でその名の通り「腰椎」と「仙骨」を繋いでいる関節です。
図をご覧頂ければお分かりかと思いますが、腰の骨の一番下(第5腰椎)とそのすぐ下の仙骨という骨とで構成されており、背骨と骨盤を繋いでくれています。
つまり、上半身と下半身のつなぎ目の一つでわずかこれだけの面積(接地面)で上半身の重みを支えてくれているのです。
また、ヒトのカラダの重心はこの仙骨の上から2番目の節(S2)あたりに位置すると言われておりここがヒトのカラダの重み(重力)の中心という事が出来ます。
まさに、ヒトのカラダの要(かなめ)の部分にあたります。
話は少しそれますが、腰(こし)という字は月(“にくづき”)に要(かなめ)と書きますが、まさにこのあたりが人間の身体の本当の意味の中心である・・・ということを意味しているのです。
そしてもう一つ重要なのが「仙腸関節」です。
仙腸関節は、仙骨と左右の腸骨(骨盤を構成する3つの骨のうちの一つ)とで構成されている関節で、腰仙関節とともに大変重要な関節です。
医学的には「仙腸関節は動かない」とされていますが、実際には数ミリ動くことが確認されています。
よく言われる「骨盤の歪み」とは、この仙腸関節がずれることによって起こり、人体の骨格バランスを考える上で非常に重要な関節なのです。
この仙腸関節がズレると、腸骨と仙骨のバランスが悪くなり仙骨の上に乗っている脊柱が前後または左右に傾いてしまい、さらに悪くなったバランスを整えるために、背中の上部や首の付近で2次的な歪みを作り出してしまうことになります。
仙腸 関節は腰仙関節とともに、脊柱全体を支える“土台”となる部分ですので、この関節の歪みは全身に影響を及ぼしてしまうのです。
このように、背骨~腰を司る骨や関節は非常に複雑な構造をしているのです。
構造が複雑にも関わらず、日常生活の中では脊椎や関節に負荷をかける動作をとることも多く、腰痛を引き起こしやすくなっているのです。
腰痛には数多くの種類があり、それぞれ原因が違います。
加齢によるものや神経の圧迫、腰椎に強い負担がかかったとき、腰椎の関節の炎症、病的なもの(骨量の減少や病気による変性)など様々な原因があります。
さて、これで皆さんも「腰の構造」について大分お分かりになってきたでしょう?
次に、「腰痛」が起こる原因についてさらに詳しくみていきましょう。一言で「腰痛」と言っても先に述べたように、その原因によりいくつかの種類に分かれます。
ギックリ腰は医療学的には「急性腰痛」(椎間捻挫)とも呼ばれ、いきなりグキっという衝撃と共に、腰が強烈な激痛に襲われるものです。
ギックリ腰はどうしたら起きるということがありません。
原因は様々で、ギックリ腰になる人の数だけ原因があると考えた方がいいでしょう。
腰椎が瞬間的にずれてしまい、腰の筋肉が負荷に耐え切れずに炎症を起こしてしまう腰痛です。
とは言うものの、ギックリ腰になる要因は次の3つに大別されることが多いとされています。
まず1つ挙げられるのが、筋肉の慢性疲労です。
ギックリ腰は突然起こりますが、症状としていきなり表れるだけで、ゆっくりとその原因となるものは進行しているのです。
例えば中腰で荷物を持上げようとした瞬間に激痛が走ったり、よろめいてちょっと片足を勢いよくついてしまった瞬間などにギックリ腰になりやすいですが、日常の中で同じ動作をしても平気だったのに、ある瞬間にぎっくり腰になってしまうこともあります。
これは、少しずつ溜め込んだ筋肉疲労が、あるとき負荷の許容量を超えてしまい、腰痛として発症してしまったと言えるでしょう。
日常生活を送る中で、筋肉疲労は必ず起こります。
ヒトのカラダには、それを回復するメカニズムが組み込まれてていますが、睡眠不足や栄養バランスが取れていなかったり、運動不足や座りっぱなしの仕事を続けるなどしていると、筋肉疲労が回復することなく徐々に蓄積されていき、やがてギックリ腰を招いてしまうことになるのです。
ギックリ腰になる原因のもう一つに、骨格の歪みもあげることができます。
私たちの日常を振り返ってみると、立ちっぱなしの仕事や座りっぱなしの仕事に就いていると長時間限られた姿勢でいることが多いでしょう。
こうすることで、身体の柔軟性が失われていき、同じ骨格や筋肉だけを使うことになってしまいます。
使われている筋肉には負荷がかかり、使われていない筋肉は少しずつ緩んでいきます。
こうしたことが筋力のアンバランスを生み出し、骨格の歪みを招いてしまいます。
歪んだ骨格は左右のアンバランスを生み出し、その周囲の筋肉への負荷に変わります。身体のバランスをとろうとする代わりの筋肉にも徐々に筋肉疲労が蓄積され、やがてギックリ腰につながるのです。
若い方やスポーツ選手に多いぎっくり腰の原因の1つで、高いところから飛び降りた着地の瞬間や、勢いよく振り返った瞬間、横になっていて勢いよく起き上がったときなど、止まっている状態からいきなり動いたときや、動きの急激な切り替えの時に、腰にいきなりの過負荷がかかり、ギックリ腰を起こしてしまいます。
ギックリ腰になる原因として考えられるものは、上記したものの他に体重(過体重=太り過ぎ)や筋肉のバランス、生活習慣または生活環境、体質なども考えられます。
ここで紹介したものはあくまでも代表的なものであって、必ずしもこれらがあてはまるという人がいないことも多くあることでしょう。
ギックリ腰の発症に大きく関係していることは確かですが、ぎっくり腰の種類は人それぞれなのです。
ギックリ腰や不良姿勢の継続からくる単なる慢性的な腰痛の他に、何らかの生来の骨格的な異常や内科的疾患から生じる“病的な腰痛”も多く存在します。
ギックリ腰が症状名なのに対し、椎間板ヘルニアは“病名”です。
立派な病気ということです。腰痛の痛みと共に、神経が圧迫されることによる痺れも同時に起こります。
腰痛と椎間板ヘルニアは同じ腰の痛みでも、そのメカニズムが根本的に違います。
「ヘルニア」とは、本来その位置にあるべきものが他の位置に転移したり突出したりする状態を言います。
つまり、腰椎椎間板が突き出てて脊髄中枢神経や末梢神経を圧迫し痛みが出るといった状態です。
図の部分で白い〇で囲われた部分が椎間板が神経を圧迫している様子で、この部分の神経が痛みの信号をカラダ➝脳に伝えているわけです。
先に述べたように「脊柱管」とは背骨にある脊髄中枢神経の通り道のことを言います。
背骨が正常な形をしていればなんの問題もありませんが、背骨が歪んでいると、その場所は狭くなってしまい、神経を圧迫して腰痛や痺れを引き起こします。
この状態が、脊柱管狭窄症と呼ばれるものです。
中枢神経は脳とつながっていて、1度ダメになってしまうと2度と元に戻ることが出来ません。
頭と首の境目から、腰と胸の境目に脊髄がありますが、腰には存在していません。その代わりの役割をしているのが、馬尾です。
腰の部分には馬尾と呼ばれる末梢神経が入っていて、例え傷ついても再生することがあります。脊髄は症状が出きってから治療を始めても間に合わない場合が多いのですが、馬尾(腰部)の場合は症状が出てからでも手遅れになることは稀だと考えられています。
この馬尾と呼ばれる神経の束が脊柱管を通っていますが、腰部の脊柱管が狭まり、中を通っている神経が圧迫されて、腰痛や痺れが起こります。
幅広い年代に起こりうる病気ですが、50~70代に多く発症する傾向が見られます。
先天性脊柱管狭窄症として、生まれつき脊柱管が狭い場合と、後天性脊柱管狭窄症と言った、すべり症などによって脊柱管が狭くなったもの、椎間板ヘルニアの合併症、腰椎の手術によって狭くなってしまったものなど、様々な原因があります。
この病気の特徴として、歩いていると徐々に下肢が重くなったり痺れてきたり、痛みを感じて歩くことができなくなってしまいます。
歩ける時間は1~2分から10分程度で、これは脊柱管狭窄症のレベルで変わります。
歩くのが困難になっても、腰掛けて休んだり、腰を屈めて少しの間休むことによって、また歩けるようになります。
こう言った、間欠性跛行と呼ばれる症状が特徴です。
腰を後に反らせたり、真っ直ぐに立っている状態で腰痛がひどくなり、前かがみになると痛みが楽になります。
前にかがむことで神経の圧迫が緩むためです。
痛まないように歩くため、手押し車やカートを押すようになりますが、年齢のせいだと決め付けず脊柱管狭窄症の場合がありますので、放置して悪化させないようにしなければいけません。
間欠跛行が脊柱狭窄症の特徴としましたが、圧迫される場所によって症状も変わってきます。
タイプは次の3つに分類することができます。
1つめは、脊柱管の中の左右にある神経根ですがこの神経根の左右どちらかが圧迫された場合、圧迫された側の腰から足に、痛みや痺れとして症状が出ます。
このタイプを「神経根圧迫タイプと」とすると、2つめのタイプは「馬尾圧迫タイプ」です。
神経の束である、“馬尾”」が圧迫された場合、足の痺れや麻痺、脱力感といった症状のほかに、排泄障害として、便や尿が出なかったり、我慢できないということが起こります。
すべり症に関連することもあり、排泄障害まで行かなくても、ムズムズ勘やチリチリ感がある場合もあります。
上記の「神経根圧迫タイプ」よりも症状が重いと言えます。
3つめのタイプは「神経根圧迫タイプ」と、「馬尾圧迫タイプ」の両方の症状が出る「混合タイプ」です。
腰椎分離症や脊椎すべり症は、比較的年配者に多い腰椎疾患です。
病気の原理は椎間捻挫とほとんど同じで、外的な主な原因は腰椎がずれる(すべる)ことで痛みが発症します。ギックリ腰と大きく違うのは、滑ってずれた腰椎が元に戻らずに、ずれっぱなしということです。
これが、腰椎分離症とすべり症の大きな特徴と言えるでしょう。
腰椎分離症とすべり症は、症状や原因が似ているために、同じようなものだと誤解している人も多いのですが、根本的に違う病気になります。
腰椎分裂症の場合、椎骨にある棘突起という部分が折れてしまい腰痛が起こります。
脊椎すべり症の場合、椎骨がすべることによって腰痛が起こります。
こうした根本的な原因の違いがありますが、症状的にはあまり違いがありません。
腰椎分離症とすべり症は、ギックリ腰などの急性の腰痛と違って年配者に多く見られる腰痛です。
それはどうしてなのでしょうか。
根本的な理由は、腰椎がずれたり折れたりしてしまうことにあります。
この2つの腰痛を引き起こす主な原因になるものは、靭帯組織や椎間板の劣化によるものです
劣化の原因は加齢によるもので、加齢が過負荷を起こしてしまうのです。
若い年代では耐えられていた負荷が、年齢を重ねると共に過負荷になってしまうにも関わらず、若い頃の感覚でいるために、腰椎がすべってしまうことになるのです。
年齢が若ければ、靭帯も丈夫で柔軟性もあり、腰椎がすべっても瞬間的なものに留まり、すぐに元に戻ることが出来ます。
加齢が進むと靭帯も衰えて劣化してきますので、すべってすまうと柔軟性がないために元に戻すことが出来なくなってしまいます。
結果的に、そのまますべりっぱなしのままになってしまうのです。
これが、年配者に腰椎分裂症とすべり症が多く見られる理由です。
稀に、激しい運動をする若い世代に腰椎分裂症が見られる場合があります。
急性の腰痛の場合、突然激しい痛みに襲われて動くこともままならなくなりますが、腰椎分裂症とすべり症の場合、いきなり症状が現れるものではなく、加齢と共に徐々に症状が進行して行き、なんとなく気になるような違和感から始まり、慢性痛となっていきます。
腰椎がすべるときに神経を圧迫してしまい、坐骨神経痛も同時に発症する場合があります。
こうした痛みの出方から、激痛を起こすことはほとんどありません。
なんとなく痛い、腰に違和感があるような痛みのため、年齢的に仕方がないと思ってしまう人も多く、激痛ではないために我慢する人も多いのが現状です。
ですが、油断をしていると脊柱狭窄症を発症してしまう場合があるので注意が必要な腰痛でもあるのです。
この腰椎分離症やすべり症には、恒常的な負荷により生じるものや、外傷的なケガや骨折で起こるもの、先天的なものや腫瘍や感染などによる内科的な要因からなるものといくつかの要因があります。
腰椎分裂症やすべり症と同様、高齢者に多く見られるのがこの変形性腰椎症です。
腰椎症とも呼ばれていますが、聞きなれない人も多くいるかもしれませんね。
それは、腰が痛くても、年齢のせいだと諦めている人が多いからではないでしょうか。
腰椎が何かの原因で変形を起こしたり、椎間板や椎間関節に異常が起こったりすると、腰痛を発症してしまいます。
では、これらのことはどうして起こるのかというと、加齢によって腰椎や椎間板が劣化していくからと言えます。
ですから、高齢者には腰痛に悩まされている人が多いということになるのです。
先ほども述べたように、加齢が進むと椎間板の柔軟性がなくなり、椎間板がつぶれやすくなります。
また、腰椎に『骨棘(こつきょく』と言う、骨の一部が棘(トゲ)状に突出したものが出来てしまい、椎間板を傷つけてしまいます。
更に、椎間関節(椎骨と椎骨の間の関節)が加齢によって靭帯に負荷がかかるようになってしまうのです。
こうしたことが加齢と共に起こり、徐々に脊椎をゆがめてしまい腰痛を起こしてしまうことになります。
椎間板や関節、靭帯が老化によって劣化することによって腰痛が起こります。
変形性腰椎症の場合、40代以降になると多く見られる症状ですが年齢を重ねると、椎間板が劣化して水分が少なくなってしまいます。
水分がなくなるということは、弾力性も失われると言うことで、脊椎骨のふちが変形してきて、椎体間の隙間がせまくなることで脊柱も不安定になってしまい、周りの神経や神経根が刺激されることになります。
このような状態になると。椎骨は骨棘という突出したものを作り出し、支えようとするのですが、この骨棘自体が周囲の神経を刺激して、痛みが生じてしまう場合もあります。
症状としては、腰にこわばりや鈍痛を感じます。
特徴としては、就寝時に寝返りをするとき、立ち上がるときなどに、痛みが強く出ます。
動作の初めに強い痛みが走り、動き続けていることによって徐々に痛みが楽になるのが一般的な症状です。
レントゲン検査で、骨棘が形成されていることが確認できると変形性腰椎症と診断されます。
骨粗鬆症はよく知られている名前ですが、骨粗鬆症でも腰痛につながってしまいます。
骨粗鬆症は、骨の密度が少なくなってしまう病気で、女性に多くみられます。
なぜ女性に多くみられるかというと、女性は閉経後にエストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少し骨形成機能が著しく低下するため骨密度が少なくなってしまうからです。
年齢的には50代頃(閉経後)から徐々に骨密度が少なくなってきます。骨粗鬆症になると、腰痛や背中の痛みを感じるようになり、慢性化してしまう場合もあります。
骨粗鬆症になってしまうと、カルシウム分の減少により、骨の量も減ってしまいます。
骨の量が減ってしまうと骨密度もなくなり、骨がスカスカの状態になってしまいます。
だからと言って自覚症状があるわけではありません。
スカスカになってもろくなっている骨は、よろめいて手をついただけでも簡単に骨折してしまいます。
こうなって初めて自分の骨がもろくなっているのに気づく人もいるでしょう。
血圧などと違い、日頃から骨密度を測定している人はまずいないでしょうから、自分の骨がもろくなっていることに気づかないにも仕方のないことかもしれません。
骨粗鬆症は骨がもろくなり、骨折しやすくなっています。
軽く転んだだけでも骨折してしまいますが、これが高齢者となると脊柱を構成する組織の 変性と骨粗鬆症で、体を支えることが困難になってしまいます。
最悪の場合、脊柱の一部が潰れてしまい、骨折してしまう場合もあります。
潰れた骨によって変形が生じ、猫背の姿勢になってしまい、背中の筋力が落ちてしまいます。
ギックリ腰などでは、突然腰を激しい痛みが襲いますが、骨粗鬆症で急激な痛みが起こる場合は骨折を起こしているでしょう。
スカスカになった骨では、ちょっとした重い荷物を持ち上げるだけでも脊柱の一部が折れてしまうことがあります。
こうして起きた圧迫骨折の部分の腰や背中に痛みが出ます。
状態や場所によってはお尻の方にまで痛みが広がることもあります。
骨折をするということは、骨が元の形から変形するわけで脊柱を支える周りの筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
こうしたことも、慢性的な腰痛や背部痛になることもあるのです。
圧迫骨折自体は2~3週間で激しい痛みも治まりますが、腰痛や背中の痛みは慢性化してしまう可能性がありますので、そうならないよう普段から腰や背中に負担のかからないような生活を送ることが大切です。
骨粗鬆症は50代以降の女性に多いと書きましたが、若い方でも骨粗鬆症になってしまう可能性は十分にあります。
若いうちに栄養をしっかりと摂り、骨量を増やすことは非常に大切なことなのですが、20~30代では男女を問わず、スタイルを気にして過度なダイエットをしたり、生活習慣の乱れなどから食事も偏りがちになり運動不足なども手伝って、骨粗鬆症となってしまうことがあり得るのです。
食事制限をした無理なダイエットでは、骨を作るうえで必要な栄養素も不足してしまい、骨を支える筋肉の量も減ってしまいます。
また、濃い味の食事の場合、摂り過ぎた塩分は体外に排出されますが、一緒にカルシウムも流れ出してしまいます。
スナック菓子やインスタント食品などの加工品も骨からカルシウムが溶け出すことにもつながりますので、控えめにした方がよいでしょう。
若いからと言って好きなものを好きなだけ食べ運動もしないでいるとやがて骨粗鬆症で苦しみ、腰痛というオマケまでついてきてしまいます。
男性よりも比較的女性の方が腰痛に悩んでいる人が多いように見受けられます。
ヒールの高い靴を履き、腰に負担がかかった姿勢で歩くので腰痛にはなりやすいのですが、女性の腰痛は靴だけの問題ではありません。
女性には、「生理」と「妊娠」という特有の生理学的特徴・メカニズムがあります。
まず、「生理と腰痛」の関係についてご紹介します。
「生理の前になると体調が悪くなる女性がいます。
『月経前緊張症』と呼ばれるものですが、生理が始まる数日前から頭痛・下腹部膨満・吐き気・めまい・倦怠感・情緒不安定・腰痛など、人によって程度の差はありますがこのような症状が出ることがあります。
生理が始まると症状が軽くなったり、症状が全くなくなったりします。
生理のときに感じる痛みには、黄体ホルモンという女性ホルモンが大きく関係しています。
黄体ホルモンは子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質を分泌させます。
この物質が分泌される量が多くなると、下腹部に痛みを感じたり、腰痛を引き起こしてしまうのです。
生理前の腰痛をはじめとする様々な症状は、精神的な面にも大きく左右されます。
月経前緊張症候群に悩む女性は、比較的神経が細やかな性格の人が多い傾向にあります。
不安感や恐怖心、怒りなどの精神的な感情が痛みを誘ったり増加させることもあるのです。
心の状態の安定を心がけ、ストレスを溜め込まないことが症状を軽くする第一歩になります。
自律神経のバランスが崩れると、ホルモンの分泌にも大きく影響します。
更に、ストレスによって自律神経が乱れるとホルモンの分泌にも異常が出ます。
心と自律神経は密接な関係にあるのです。
自立神経を安定させるためには、日頃からストレスを上手に発散し自律神経を安定させてあげる必要があるのです。
腰痛は、子宮や卵巣の異常によって引き起こされることもあります。
生理の前に、腰痛をはじめ様々な症状が出て苦しい思いをする方などは一度婦人科を受診してみた方がよいでしょう。
次に、「妊娠と腰痛」の関係について触れてみたいと思います。
出産経験のある女性であればお分かりのように、妊娠すると腰痛に悩まされます。お腹がせり出すにつれて姿勢も変わるのでそのせいだと思っている人もいるでしょう。
実は、妊娠中の腰痛の原因は、それだけではありません。
いくつかある女性ホルモンの中で、生理の前や妊娠3ヶ月を過ぎると分泌される卵巣ホルモンの1つで『リラキシン』と言うホルモンがあります。
リラキシンは関節を緩める働きがあり、赤ちゃんが骨盤を通るときに、骨盤の恥骨結合という部分を広めてくれる役割をしてくれます。
リラキシンの働きによって恥骨結合部分が緩められることによって、その周囲の筋肉や関節にこれまでかかっていなかった負荷がかかるようになります。
これが妊娠中の腰痛の原因の1つになります。こうしたことが原因で、筋肉痛や変形性脊椎症、椎間板ヘルニアなどになる可能性も高くなります。
妊娠前、日頃から腰痛を抱えていた人は、妊娠することによって、更に症状が重くなる可能性があります。
また、お腹の赤ちゃんが成長してお腹が大きくなるに従い母体にかかる負担も大きくなってきます。
体重も少なくとも胎児と羊水の分は増加しますが、それだけの体重増加で済む人は稀です。
中には10kg以上体重が増加する人もいて、妊娠中の腰痛の原因の1つになっています。
妊娠して徐々に大きくなるお腹によって、姿勢の変化も起こります。
この姿勢の変化が母体にとって負担となるのです。
お腹が大きくなると、重心が前に移ってしまうことで腰椎が前に反り骨盤も前方に傾きます。
腰椎や骨盤の関節にかかる負担が大きくなるにも関わらず、運動ができないので筋力も低下ししてしまい、どんどん腰痛がひどくなってしまいます。
特に、負担がかかった関節は変形を起こすと変形性脊椎症になる可能性も高く、産後もこの腰痛で悩まされる確率が高くなります。
産後も妊娠中からの腰痛が残る場合がありますし、育児などによる腰痛も起こります。
出産時に骨盤の恥骨結合部が開き、大きな負荷をかけながら赤ちゃんが通るのですが、恥骨結合部に産後も障害が残る場合があります。
また、出産時には骨盤後方部分にある関節、仙腸関節にも大きな負担がかかります。
とても強い靭帯で支えられていますが、出産によって関節が緩くなることにより、バランスが悪くなって腰痛を引き起こしてしまいます。
元々あった腰痛が、育児をしていく中で悪化する場合もあります。
赤ちゃんを抱っこしたりおんぶしたりする姿勢はとてもアンバランスです。
腰で赤ちゃんを支えなければならず、腰痛ばかりではなく肩こりや
腰痛も招いてしまいます。
出産後元の体に戻るまで6~8週間かかると言われていますが、ただでさえ体力・筋力共に低下しているときでもありますので、無理をすると腰に負担がかかりますので、体が元に戻るまでは周囲の人の協力のもと、無理をしないで過ごさなければいけません。
出産によって骨盤が歪んでしまったという言葉をよく耳にしますが、この仙腸関節や恥骨結合が緩みっぱなしになってしまうと筋肉なども緩んでしまい、腰痛につながります。
骨盤を締め付ける専用のベルトもありますので、それらを利用して症状をやわらげることも必要でしょう。
出産後の体は、自分では自覚がなくても思ったよりも負担がかかっています。
特に骨盤に大きな負担がかかりますので、何もケアしないでいると筋肉や靭帯さらに関節に変性をもたらす場合があります。
出産後には無理をしない程度に体をいたわり、骨盤に問題がある場合は専門家の指示に従って専用ベルトを着用し、骨盤底筋などの筋肉のエクササイズも行うといいでしょう。
放置しておくと骨盤が歪んだまま固定されてしまいますので、出産後に腰痛がある場は早めに治療を開始しなければいけません。
様々な腰痛の種類をご紹介してきましたが、ここでは「急性腰痛(椎間捻挫)になる手前のごく「一般的な腰痛」(腰が重い、ダルイ、軽い痛みがある・・・等の程度)の予防法についてご紹介したいとい思います。
この「一般的な腰痛」には、多くの場合原因は「不良姿勢の継続」にあります。
つまり、長時間椅子に座って仕事や勉強したり、パソコンでの作業をしたり、前かがみの姿勢を続けたり、立ちっぱなしだったり・・・などの状態が続いた際などです。
こういった姿勢を続ければ、必ずある筋肉長い間縮まった状態が続き、別の筋肉は長い間伸ばされたままの状態が続くことになり、筋肉のバランスが崩れ『アライメント(骨や骨格の並び)不良』を起こしてしまい、その結果『筋肉疲労』がドンドン進行し不具合(痛みやハリなど)を起こすのです。
ですから、こういった不良姿勢を長時間続けない様に注意をすることが肝心です。
例えば、長時間椅子に座って仕事や勉強をしなければならない時などは1時間に一度は椅子から立ち上がって、少し部屋を歩き回ったりストレッチなどをしてみるなどしてみると良いでしょう。
また、立ちっぱなしの仕事をせざるを得ない方はやはり1時間に一度くらいの間隔で腰を前後左右に動かしたり、軽いストレッチなどをすることがオススメです。
また、「腰痛」を防ぐための「腰痛予防体操」や既に「腰痛」になってしまった方のための「腰痛体操」などもありますが、それらは別の機会にじっくりとご紹介させて頂きたいと思います。
さて、皆さん背骨や腰の構造から、何故「腰痛」になるのか?についてご理解頂きましたでしょうか?
でも、構造や原因が理解できても、ついついなってしまうのが「腰痛」や「肩コリ」などの慢性症状。
というのも先ほども触れましたように、これらの症状の最も大きな要因は「日頃の不良姿勢の継続」にあるからです。
不良姿勢の継続は、カラダの左右・前後などの筋肉のバランスを乱し骨や関節のアライメントを崩し、やがては筋肉の緊張や硬結などの原因となり、それが「腰痛」や「肩こり」を引き起こすのです。
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