適度な運動は、筋肉を鍛え健康な体を作ってくれます。
それに加えて最近の脳科学研究から、
運動は脳の発達にも良い影響を与えることが明らかになってきました。
脳細胞の活性化・やる気の増大・ストレスの軽減・老化や認知症の予防など、
運動による脳への効果についてまとめてみました!
脳の重さは体重の2.2%程度と言われていますが、
消費するエネルギーと酵素は全身の20%にも及びます。
脳をしっかりと機能させるためには、
脳のエネルギー源であるブドウ糖と酵素を十分に供給することが大切です。
運動を行うと全身の血行が促進され、酵素とブドウ糖が脳に供給されます。
さらに運動は、脳のドーパミン分泌を活性化させます。
ドーパミンは気持ちを前向きにし、幸福感を与えてくれる物質です。
これが集中力ややる気に繋がるのです。
運動を行うことによって、
脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が多く分泌されます。
BDNFは脳の神経細胞であるニューロンの成長を促します。
これにより脳細胞が増え、脳の発達に繋がります。
脳の発達というと、成長期の子供が対象のように感じられるかもしれませんが、
成人はもちろん、高齢者にも効果があります。
例えば、脳の中の記憶を司る「海馬」は加齢とともに縮んでいってしまいますが、
運動による脳の発達はこれを防ぐ効果もあります。
中には、
「1年間速歩を週3回行った高齢者の海馬が1〜2%大きくなった」
というデータもあります。
こうした脳の発達は、老化や認知症の予防に繋がります。
また、運動はストレスに強い脳も作ってくれます。
運動することによって体がほぐれ、
それが脳のリラックスと情報整理にも繋がります。
さらに、適度な運動により、前述したドーパミンの他に、
精神を安定させるセロトニンという物質も分泌されます。
セロトニンは自律神経のバランスをとり、脳を覚醒させてくれます。
特に朝に日光を浴びて運動をすると、盛んにセロトニンが作られ、
より効果的なストレスの軽減、精神の安定に繋がります。
朝に分泌されたセロトニンは、
夜にはメラトニンという快眠物質に変わるため、不眠解消にも繋がります。
運動によってストレスに強い脳を作ることは、
うつ症状の回復などにも効果があると言われています。
以上のような脳の発達には、
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が良いと言われています。
脳に疲れを感じた時や集中力が切れた時、ストレスを感じた時などは、
少し歩いてみるだけでも効果的です。
仕事や勉強の合間に、ウォーキングやジョギングを行えば、
気分転換にもなり効率アップにつながります。
お昼休みなどに軽い散歩を心がけるだけでも、
毎日続けることで効果が見込めるでしょう。
日常的には、ハードなメニューをこなすことよりも、
習慣化して楽しく続けられる運動を選ぶことが大切です。
「楽しい」と感じることで、より脳の活性化に繋がります。
毎日ウォーキングする、週3回ジョギングする、休日にプールに行く、など
ご自身のライフスタイルに合わせて無理のない範囲で行ってみてください。
また、運動をしながら簡単な計算やしりとりを行うと、
さらに脳機能が高まると言われています。
ウォーキングやジョギングなどの場合も、たまにコースを変えてみると、
脳にいつもと違う刺激が与えられ、より効果があるようです。
運動は、身体だけでなく脳の健康も維持してくれる最良の手段です。
やる気の低下やストレスを感じている時こそ身体を動かして、
脳も気持ち良くリセットしていきましょう。
健康で明るい毎日を過ごすためにも、ぜひ日常の中に簡単な運動を取り入れてみてください!